1974年以来毎年1月にフランスのアングレームで開催されている国際漫画フェスティバル Le Festival international de la Bande Dessinée、今年は28日から31日に行われます。このフェスティバルは、世界中から漫画家や20万人のファンが集る出会いの場になっています。4日の間、巨大なテントがいくつも建てられ、出版社のスタンドが立ち並び、サイン会、展覧会、上映会、討論会、講演会、コンサート、さらに作品コンペなど盛りだくさんのイベントでファンたちと憧れの作家の出会いの場になっています。また新しい作家が発掘できる見本市もあります。今年、43回目を迎える国際漫画フェスティバルには500人以上の作家が世界中から集ります。
数々のイベントの中でも、とりわけ盛り上がるのが、前年度にフランス語圏で出版された漫画の中で最も優れた作品を選出する最優秀作品賞コンペです。今では日本の漫画作品も知られてきており、2000年頃より日本の翻訳作品のノミネートが増えています。2007年には水木しげるが日本人で初めて最高賞である最優秀作品賞を受賞しています。今年はフランスでもカルト的人気を誇る『アキラ』で有名な大友克洋、望月 峯太郎、野田彩子が招待されています。
http://www.bdangouleme.com/859,l-evenement-katsuhiro-otomo
アングレームは非常に古い歴史のある都市で、ローマ時代はシャラント川の水上貿易で繁栄していました。川を見下ろす岩の露頭は戦略的要所とみなされ、ローマ時代の城壁の遺跡が残っています。中世においてはフランス王家親王采地の一つであり、同地を治めていたヴァロワ家傍系のヴァロワ=アングレーム家出身のフランソワ1世が国王として即位しています。人口は4万人あまりですが、この期間は、市庁舎や美術館、音楽学校の校舎が会場として利用され、町全体がフェスティバル一色になります。熱狂的な漫画ファンでなくとも訪れる価値のあるイベントでしょう。下の動画は昨年のフェスティバルの様子です。
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