アヴィニョン演劇祭は世界で最も重要な国際演劇フェスティヴァルのひとつ。1947年に演出家ジャン・ヴィラールによって始められ、今年(2016年)70回目を迎えました。今年は直前にニースで悲惨なテロがあったにも関わらず、大盛況でした。
毎年7月にアヴィニョンは街全体が劇場と化し、街の建築遺産は素晴らしい上演会場となって、あらゆる年代の多くの演劇愛好者たちを迎えます。ヴァカンス時期であることも重なって、しばしば遠方から赴く彼らは何日もアヴィニョンに滞在し、古典劇、現代劇、ダンス、ミュージカル、操り人形劇をはじめ、さまざまな形の幅広いパフォーマンス・アートをいくつも鑑賞します。一ヶ月の間アヴィニョンの街という屋根を取り払ったフォーラムで、フェスティヴァル参加者たちは見た作品について語り合い、感動を分かち合うことができます。
プログラムは30あまりの芸術家グループから構成されますが、ここで繰り広げられる作品の時間と空間を、観客たちは芸術家たちと分かち合うことで、アヴィニョンの街は毎夜、双方にとっての真の創造の場となります。公式のアヴィニョン演劇祭の公演は「イン」と呼ばれますが、「オフ」と呼ばれる自主公演も行われており、国内外から600もの劇団が参加しています。
ところで2016年のアヴィニョン演劇祭には、性、暴力、狂気などをモチーフに、人間の魂の暗部を探求し、詩的な表現へと昇華させる鬼才アンジェリカ・リデルの新作『「この剣で、わたしは何をする?」─法と美についての考察』に、入江平、菊沢将憲、菅江一路、立本夏山の日本人アーティストが参加していました。このアヴィニョンでの公演が世界初公演だったそうで、4時間15分の超大作、深夜から朝3時までの公演にもかかわらず、すごい熱気だったそうです。
公式サイト:http://www.festival-avignon.com/fr/
Éric Lacascade à la Cour d’honneur (2006)
By Paul Munhoven (Avignon) [GFDL or CC BY-SA 3.0],
via Wikimedia Commons
Index Actualité