5月1日、いわゆるメーデーは日本では祝日でもありませんが、フランスでは「労働の祝日」であると同時に「スズランの祝日」であり、国民の祝日になっています。
まず「スズランの祝日」の由来ですが、スズランは別名「谷間のゆり」と呼ばれ、ヨーロッパでは中世から存在しているようです。釣鐘状の花をつけるこの植物は春の訪れの象徴で、ケルト人たちは幸運をもたらすものと考えていました。
1561年の5月1日、一輪のスズランを幸運をもたらすお守りとして贈られたシャルル9世は、毎年この日に宮廷の貴婦人たちにスズランを贈ることにします。こうしてスズランを愛する人に贈るという習慣は生まれました。
スズランは恋人たちの出会いの花でもあり、ヨーロッパでは「スズランの舞踏会」が催されていたそうです。この舞踏会では、若い娘たちは白い衣装に身を包み、若者たちは服のボタンの穴に一輪のスズランを挿していました。彼らの両親たちが立ち入れない数少ない毎年恒例の舞踏会だったようです。
1976年になってこの習慣はメーデーのお祭りと結びつき、デモ行進をする人々の服のボタンの穴にはスズランが挿されることになったということです。もともとは8時間の労働、8時間の睡眠、8時間の余暇という要求のシンボルとしての赤い三角形やノバラが使われていました。アメリカの労働者20万人が1886年5月1日、労働組合の圧力によって1日8時間労働を獲得しました。
メーデーの由来ですが、1886年5月1日にアメリカの労働者たち20万人が8時間労働を要求しストライキとデモ行進を行い、労働組合の圧力によって1日8時間労働が徐々に実現することになります。これを受けて1989年にパリで開催された国民社会党大会で5月1日を「国際労働者の日」とすることを採択し、全労働者が1日8時間労働を実現するために国際的にデモ行進をする日としたそうです。
1919年にフランス元老院は1日8時間労働を批准し、1941年にヴィシー政権によって「労働・社会融和祭」と正式に制定されましたが、1947年にはフランス解放後の政府は5月1日を有給の休日としました。普段は公道で花を売ることは禁じられていますが(花屋の屋台は別として)、この日だけは例外的に野生のスズランを摘んできて売ることができます。
Index Actualité