フランスと言えば、農業国という連想が働く人が多いと思います。映画やモードといったイメージを持っている人もいるかもしれません。また航空産業や原子力産業も盛んな国です。しかし今やフランスはスタートアップの国という一面も持っているのです。
スタートアップとは急成長する若い革新的な企業のことで、アメリカのマイクロソフト、アップル、Amazonなどがかつてのスタートアップでした。今フランスでは、3人に1人の若者が企業する計画を持っています。SNSの浸透も新しい仕事の可能性の範囲を広げていて、中小の若い起業家たちの中には、すでにインスタグラムのようなSNSにアップする写真を使って事業を立ち上げたり、多くの顧客を関心を引きつける手段にしています。
2013年にフランス政府は「フレンチテック」という新しいビジネスを都市単位で支援するためのブランドを立ち上げました。そして海外展開のためのネットワークづくりや、国外の起業家誘致を積極的に行ってきました。マクロン大統領もオランド政権のデジタル担当大臣時代にはその渦中にいました。
さらに昨年、パリ13区にスタートアップを支援する世界最大級のインキュベーション施設「スタシオンF」が誕生し、パリの新しい名所になっています。その創設者はグザヴィエ・ニエルという実業家で、仏の代表的なスタートアップである「フリー(Free)」の親会社「イリアド(Iliad)」の株の過半数を所有しています。「スタシオンF」には、将来有望な若い起業家たちが集まって、新しい事業の準備をしています。そこにレストラングループ「ビッグ・マンマ」による複合レストラン「フェリチタ」がオープンしたことも最近話題になっていました。
フランス語の動詞 entreprendreは「取りかかる」という意味ですが、それが英語圏で「起業する」という意味を持ちました。近年 entrepreneur(英語でアントレプレナー)はフランス語圏にも「起業家」という意味で逆輸入されています。フランスで企業するためにフランス語を学ぶという選択もこれからはありえるでしょう。
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