2017年4月7日のフランス大統領選挙の決選投票において、弱冠39歳のエマニュエル・マクロンが66%の得票率でマリーヌ・ルペンを破り、歴代大統領の中で最も若い大統領となったことが話題となっています。同時に、ファーストレディとなるマクロンの奥様ブリジットが、24歳年上で彼のリセ時代の先生だったことも人々の興味を引きました。すでにオランド政権時代に経済相に就任してから、マクロン夫妻はマスコミの格好のターゲットとなっていました。パリの街角で、休暇先のビーチでのツーショットが、セレブの写真とともに芸能誌の表紙をしょっちゅう飾っていました。
毒舌タレントはマクロン夫人のことを「閉経バービー」とあだ名し、マクロンも”chouchou”(「先生のペット」のこと)とか、夫人の実家がアミアンの老舗菓子店で銘菓 Macarons d’Amiens で名高いことをもじって MACRON d’Amiens とからかわれたりもしています。しかし、注がれる視線そのものは興味本位だけではなく、ずっとポジティブでした。やはり夫が24歳年下の関係が20年以上立派に続いていることが好感のポイントとなっているようです。不人気にあえぐオランド大統領の支持率が少し改善したのが、女優との不倫をすっぱ抜かれた時でした。愛ある二人なら、たとえそのあり方が多少普通でなくても肯定される、というのがフランス流なのかもしれません。
ところで前大統領であるフランソワ・オランドが就任時パートナーだったヴァレリー・トリエルヴェレールと任期中に破局したため、ファーストレディの席は空席となってしまい、その後不倫が発覚し、新しくオランドのパートナーとなった女優のジュリー・ガイエはファーストレディの役割にタッチすることはありませんでした。
しかし、大統領選中もフランスのメディアを熱狂させてきた彼女は、今や外国のメディアから注目を集めています。日本でも二人の馴れ初めや私生活にばかり注目が集まっている印象があるのですが、彼女が今後ファーストレディとしてどのような役割を果たしていくことになるのでしょうか。彼女はすでに、ファーストレディとして、特に教育、文化などの分野で政治に関わっていくつもりとのことです。マクロンの政治手腕だけでなく、ファーストレディの政治手腕も今後目が離せません。
Index Actualité