2015年に行われた、フランスの国内調査(l’enquête CSA-Observatoire du bonheur) ではボルドーが「フランス人の住みたい街ランキング」の1位になりました。この幸福度調査は2年に1度行われていて、2013年パリが1位でボルドーが2位でした。もちろんボルドーは何よりもワインによって世界的に知られている町ですが、海と山の両方に近くて食べものが美味しく、ワインとのマリアージュも楽しめます。しかしそれだけではありません。21世紀に入ってからのボルドーの魅力は、適度な町の規模(人口約24万人)を持ち、快適でエコロジックな町であることです。フランス人の目にはボルドーが人間サイズの à taille humaine 理想的な町に映っているようです。
今のボルドーにはトラムが颯爽と走り、欧州で最も長い歩行者天国があり、Vcub(ヴェキュ)というレンタル自転車システムが完備しています。1995年にアラン・ジュペが市長になって(彼は次期大統領候補でもあり、保守系の重鎮です)、中心街への車の乗り入れを禁じ、トラムを復活させました。それ以前のボルドーと言えば、重工業が衰退し、活気を失う一方で、車だけが増えて、排気ガスで町の建物の壁が黒ずんでいました。フランス人が住みたいだけでなく、外国からの観光客も増え、年間で最大580万人にも達しました。ボルドーは2015年の「Best European Destinationランキング」で1位になり、ニューヨークタイムズが選んだ「52 places to go in 2016」で2位に選ばれました。
ボルドーだけでなく、今ではトラムが地方都市の顔になっていて、各都市に個性的なトラムが走っています。1994年にストラスブールでトラムが導入されてから、その動きが加速しました。先のランキングで上位に挙がっている、モンペリエ、ナント、トゥールーズにもトラムが走り、車から乗り換えた市民の足になっています。
もうひとつ付け加えなければならないのは、今年の3月にボルドーワイン博物館 La Cité du Vin de Bordeaux が開館して、ボルドーの新しいランドマークになったことです。メタリックで曲線的なデザインの近未来風の建物です。パリからボルドーへは TGV で3時間あまり。2017年からは特急専用線路が完成し、わずか2時間で来れることになります。
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