フランスのマクロン大統領は「ル・ポワン」誌のインタビューで、毎日読書をすることを宣言し、”quand on oublie de lire, on se trompe”(人は読むことを忘れると、間違える)と考えていると話しました。これまで読書好きの政治家と言えば、ミッテラン大統領、バラデュール首相、外国ではオバマ大統領の専売特許で、この中にマクロン大統領も名を連ねることになりそうです。
大統領に選ばれても、マクロン大統領は文学への愛を捨てませんでした。読書する時間はあるのかという質問に、大統領は今年の夏は8月半ばに出たばかりのアルジェリア作家、カメル・ダウの『ザボール』を読み、気に入ったと答えました。これは父親に捨てられ、母親に育てられた子供、ザボールの物語です。彼は本とともに成長し、書くことで人生に飛び込んでいく自信を持ちます。マクロン大統領のもとで政権を担当するエデュアール・フィリップ首相は本好きどころか、共同で2冊の小説を書いています。
それではフランス国民はどうなのでしょうか。今年3月の本の見本市、サロン・デュ・リーブルの開催に合わせて行われた調査によると、フランス人は本を読む量が増えており、さらに本好きになっているということです。近年、本の市場の危機が叫ばれているにもかかわらず、回答者の84%が自発的に本を読んでいると答えました。全体的にフランス人は本好きなのですが、性別と年齢によって偏りがあるようです。
91%のフランス人がジャンルを問わず1年に少なくとも1冊は本を読んでいます。その理由を挙げてもらうと、知識を深めるため、楽しみのため、現実を忘れるため、息抜きのためという順番になります。またフランス人の読書量は目に見えて増えていて、2015年から17年のあいだに、年間の平均が16冊から20冊に増えています。これにはデジタル書籍の普及も影響しており、20冊の中の3冊が電子書籍で読まれています。
それに引き換え、日本人の読書量は年々減少し、大学生に至っては半分が読書時間ゼロというニュースもありました。フランス人を見習いたいですね。
Index Actualité