ラ・フォル・ジュルネ(La Folle Journée)は、フランスのナントという町で、1995年以来毎年1月の終わりから2月の初めにかけて開催されるクラッシック音楽祭です。フェスティヴァルの名前である「ラ・フォル・ジュルネ」は、「熱狂の日」という意味ですが、モーツアルトの「フィガロの結婚」にインスピレーションを与えたボーマルシェの戯曲「フィガロの結婚あるいは熱狂の日」(Le Mariage de Figaro ou La Folle Journée)に由来しています。
ちなみにモーツアルトは1995年、第1回目のラ・フォル・ジュルネのテーマとなった作曲家ですが、このように毎年フェスティバルのテーマが決まっています。1996年はベートーベン、1997年はシューベルト生誕200年、1998年はブラームスといった具合なのですが、今年2016年は、「自然」(La nature)がテーマでした。この音楽祭の大成功のおかげで、近年世界各地でも同じ名前を冠した音楽祭が開催されるようになりました。リスボン、ビルバオ、リオ・デ・ジャネイロ、ワルシャワなどですが、日本では東京、金沢、新潟、大津、鳥栖で開催されています。
実は本家の開催時期と違い、日本での開催はゴールデンウイークの頃。東京・丸の内の国際フォーラムにおけるラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン(日本でのLa Folle Journée)は5月3日から5日にかけて開催されます。ナントのラ・フォル・ジュルネは、より広い層のクラシック音楽のファンを開拓することを目的として創設されたため短めの演奏(45分程度)と比較的低料金(7~25ユーロ)を特徴としています。それを踏まえ日本のラ・フォル・ジュルネにおいても、長いものでも90分程度、入場料も1公演1500円~に設定され、無料公演やイベントも充実しています。またクラシック初心者から上級者にまで楽しめるような選曲になっており、通常制限される子供の入場も可である公演も用意され、家族で楽しめるような配慮がなされています。
今年の出演者は、ローザンヌ声楽アンサンブル、ピアニストのジャン=クロード・ペヌティエ、バイオリニストの庄司紗矢香をはじめとする魅力的なラインアップ。プログラムも、リヒターによるヴィヴァルディ「四季」のリコンポーズ、ジャヌカン「もしもロワール川が逆に流れるなら」、ドイツ民謡「マリアはいばらの森を通り」、シャルパンティエ「春」、フォーレの夜想曲全曲、シベリウス「樹の組曲」等々、素晴らしい選曲になっています。
主催者発表では、2010年には80万 7900人もの観客を動員し、今や日本最大級の音楽祭となっているそうです。
By hautbois – Sony P51, 「2007年2月のラ・フォル・ジュルネの様子」 https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1701289
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