1月20日付の神戸新聞に、「姫路市を訪れるフランス人観光客が急増」という記事がありました。フランス人が姫路に来るのは、世界文化遺産・国宝姫路城の知名度に加え、フランス人に人気の広島に近いこともあるようです。姫路市はアジア偏重だった観光戦略の練り直しを始めたそうです。観光地を星の数で格付けしている「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」は最高ランクの三つ星とし、姫路城の構造の解説も掲載しています。JR姫路駅の観光案内所の外国人利用者数は、これまで台湾や韓国、中国などアジア圏が上位を占めましたが、16年度はフランスが台湾に次ぐ2位に躍進しました。
特筆すべきは、姫路城は1989年、仏・ロワーズ県のシャンティイ城と「姉妹城」になっていることです。ルネサンス期の壮麗な建築様式を持つシャンティイ城の近くには、シャンティイ競馬場があります。2016年と17年には大改修が行われたロンシャン競馬場の代わりに凱旋門賞が行われたほどの有名な競馬場で、併設されたかつての大厩舎は今は「馬の博物館」になっています。姫路にも姫路競馬場があるではありませんか。
またシャンティイ城内にはフランス古典絵画のコレクションを誇るコンデ美術館があり、『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』の1300枚もの写本を所蔵していることで有名です。コンデ美術館を堪能したあとは、城外に広がる115ヘクタールの庭園を散策してみましょう。ベルサイユ宮殿の庭園でも知られるアンドレ・ルノートルの設計です。
そしてシャンティイがコンデ美術館なら、姫路には姫路市立美術館があります。この美術館はベルギー美術作品で知られ、約350点所蔵しています。それは姫路市がベルギーのシャルルロワ市とも姉妹都市関係にあるからです。シャルルロワ市はベルギー南半分を占め、フランス語が話されるワロン地方にあります。姫路とフランス、いろいろ繋がりますね。
Par Pierre-Alain Bandinelli — Travail personnel, CC BY-SA 4.0, Lien
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